SFといえば
今週のお題「SFといえば」
好きだったものが好きじゃなくなってもそれは無駄なんかじゃありません。
そのために過ごした時間も無駄なんかじゃありません。
お風呂上がりの用のないLINEのやりとり、
高校の時のクラスTシャツ、
ピンクや紫とグリッター、
あの子とお揃いのミサンガ、
少女漫画、
ボーリングシャツとウェーブヘア、
あの自販機のメロンソーダ、
ピンクのテニスラケットと白いユニフォーム、
いつも僕が止めていた交換ノート、
授業中に回される手紙、
放課後のマクドナルド、
今はもう連絡をとっていない学生時代の友人達、
初めて手を繋いだ恋人と初めてキスをした恋人。
恋人がサンタクロース(リバイバル版)を見た
なにも知らなかった頃に戻りたい時もあるかも知れません。
好きなものがなかった時のこと、
楽しくないかもしれないけれど、
寂しいかもしれないけれど、
誰に嫌われても関係ないし、
誰にも好かれなくても構わないなんて、
なんて自由だったんでしょうか。
始発に乗って秋の海を見に行ったっていいし、
近所の公園で子供たちと昼食を食べてもいい、
自分をいつでも探しに行けるし、
こんな綺麗な月を見たって誰のことも思い出さないでゆっくり考え事ができるなんて、
なんて自由なんでしょう。
けど、だけれど僕たちは何かを好きになることをやめないし、
やめることができない。
どんなにそれが生きにくいことかをわかっていながら、
どんなにそれが美しいことなのかどこかでわかっているからでしょう。